セミナー・研修会のお知らせ
弁護士板橋です。
本日は,当法人と協力関係にある,一般社団法人認知症予防&サポート研究所アンクル主催のセミナー等のご紹介です。
高齢社会において,個人も企業も地域の連携が非常に重要となっております。非常に有益な内容となっておりますので,ご興味のある方は是非ご参加ください。多くの企業や個人の方々と新しい繋がりを持つことができますよ。
① あなたとできる街づくりセミナー
日時:平成28年3月12日(土)13:30~16:00
会場:群馬大学太田キャンパス 4F研修室
参加費:無料
定員:100名
認知症サポーター養成講座で2部構成になっております。どちらも第一人者として大活躍されている講師になります。是非ご参加ください。
第1部は,認知症サポート医として活躍されている,医療法人潁原会東毛敬愛病院 院長 頴原禎人先生による講演です。
第2部は,東京都大田区にて地域作りで大活躍をしている,大田区地域包括支援センター入新井 澤登久雄センター長による講演です。
※申込はPDFファイルをご参照ください。
② 多彩な資源が織りなす地域ネットワークづくり
日時:平成28年3月12日(土)18:30~20:30
会場:ロイヤルチェスター太田
参加費:1人 4,000円
定員:50名
地域活動に関心のある個人・企業の皆様を対象としております。地域資源をどのように活用していくのか。また,自分たちがどのように地域資源として活躍できるのか。現在進行形の地域作りの形が分かります。
H28.3.12 「多彩な資源が織り成す地域ネットワークづくり」.pdf
是非こちらもご覧ください。
街の相談室 アンクル ホームページ
弁護士法人龍馬HP http://www.houjinryouma.jp/


本セミナーに関するお問い合わせは、こちらへどうぞ。↓
フリーダイヤル TEL 0120-957-183
けやき野司法書士法人 TEL 048-827-5161(担当 奥村司法書士)
弁護士法人龍馬 TEL 048-827-5168(担当 栁澤弁護士)
弁護士法人龍馬HP http://www.houjinryouma.jp/
弁護士板橋です。
先日,星野弁護士とともに,群馬県地域包括・在宅支援センター主催の研修会に講師として参加して参りました。
今回のセミナーは,主催者の意向もあり,センターの会員のみならず,非会員の方々も多数参加しておりました。一日がかりの研修でしたが,大勢の方が主体的に熱心に参加されていた姿が印象的でした。
午前中は,「介護に役立つ法律の基礎」と題して講義をさせていただきました。
「契約に関する疑問」と題して15問に及ぶQ&A方式(板橋担当),「成年後見制度でできること」と題して成年後見人が実際にどのような活動をして困難事例と向き合っているのか(星野弁護士担当),について弁護士としての実体験を踏まえながら話をさせていただきました。
以下は内容の一部になります。
<契約に関するQ&A>
・契約書・重要事項説明書・個人情報使用同意書,各書面の署名,捺印の意味の相違
・利用者に判断能力が無い場合,利用者に代わり家族が利用者欄に記名押印できるのか否か
・家族が家族欄に署名捺印をする意味
・身元引受人・身元保証人と家族・親族の責任の違い 等々
<成年後見人の具体的な活動制度>
・地域包括支援センターからの紹介で関与した,在宅介護を希望していた老々世帯への関与状況
・いわゆるゴミ屋敷(借家)で生活をする独居高齢者への関与状況 等々
午後は,11班に分かれて事例検討をしていきました。
我々は,事例検討をしている各班を回り,個別の質問を受けたり,考える視点を提供させていただいたりしました。
事例の内容からすると,弁護士として何か特別な対応ができるものではありませんでしたが,様々な視点からのアプローチ方法が出てきて,大変有意義かつ盛り上がりのある検討会になりました。
なお,後日談ですが,研修を受講された方々より,別途個別のご質問やご相談を受けております。我々弁護士としては,この様な繋がりができることに,研修会の講師をやった意義を感じます。
ネットワークを広げていき,多職種が繋がりをもつことが,高齢者を取り巻く問題へ総合的に対応できるチームを作ることになると信じております。
繋がり方にルールはありません。職能団体や所属団体の研修や勉強会であろうが,知り合いの知り合いであろうが,出会いは大切にしたいものですね。
一日がかりの研修会でしたが,とても楽しく且つ有意義なものでした。我々もたくさん勉強させていただきました。
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弁護士板橋です。
本年度も,群馬県庁にて,「高齢者虐待対応現任者研修」内の,「高齢者虐待防止法と市町村の責務」について講義をして参りました。
テキストはこちら。
この現任者研修は,毎年行われており,新人の方のための研修でもあります。今回は,自治体職員,地域包括支援センター職員の方々,約90名が参加されておりました。
私の担当した講義では,現場の方々が虐待対応するにあたり,法律上どのような権限や責任が規定されているのかを学んでいただきました。
平成25年度の群馬県内の養護者による高齢者虐待の統計はこのとおりです。
これは,群馬県が把握した件数ですので,統計に表れない潜在的な虐待は,この何倍か存在していると思われます。
虐待は,様々な背景事情から発生します。養護者の介護負担の増加,介護による社会からの孤立,経済的問題,認知症の無理解,地域の希薄化,等々。虐待は非日常の特別な問題ではありません。
虐待防止法が,養護者支援を謳っているように,養護者による虐待の場合,多くのケースで養護者への適切なフォローが必要になります。多くの高齢者は,自宅に戻りたいのです。
各自治体における,市民への啓発・予防対策・早期発見・適切な対応等が重要な施策となります。虐待に携わる様々な機関が連携し,住みよい地域を作っていくことが必要でしょう。
さて,今回の講義中にいくつか質問をさせていただきました。
そのうちの1つが「成年後見制度の研修を受けたことがあるか?」になります。挙手をされた方は1~2割。この割合,多いか?少ないか?
正直なところ,非常に少ないと言わざるを得ないでしょう。
高齢者虐待の対応において,措置入所等による養護者との分離が行われることが多くあります。その際,高齢者の判断能力が低下している場合,措置から契約への切り替え時に,成年後見人が必要となっていきます。
そして,高齢者虐待の場合,市町村長申立が原則になります。
そうすると,現場の地域包括職員が,成年後見制度について一定の知識と経験を有していないと成年後見制度へ繋げることが困難となります。是非とも成年後見制度についても充実した研修・勉強をお願いしたいところです。
話は変わりますが,日本弁護士連合会における,高齢者・障害者権利支援センターでは,地域包括支援センターと各弁護士会・法テラス地方事務所との連携を模索しております。これは,地域包括支援センターにおいて,法的対応の必要性が高まっていることが背景にあります。
本ブログでも度々述べておりますが,連携を深めるための一番の問題は,弁護士側が福祉分野・福祉現場を知らなさすぎる(多くの弁護士が地域包括支援センターの存在も知りません)という点だと思っております。
将来的目標は,全県下で連携が広がること(広げること)です。
まずは,できることから連携を広げることが大切でしょう。
弁護士法人龍馬は,今後も積極的に高齢者福祉に取り組んで参ります。
群馬県内の地域包括支援センター及び行政担当者の皆様,顔の見える連携体制を作っていきましょう。
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弁護士板橋です。
今回は,第5回見える事例検討会全国フォーラムのご案内です。

認知症のお年寄りを抱える地域の課題を共有する公開シンポジウムになります。多職種協働により,課題を解決することを目的としております。
私は,パネルディスカッションのパネリストとして登壇する予定です。
群馬県内では,桐生見える事例検討会が行われており,私は継続的に参加しております。
見え検は,医療・介護の現場の状況を知ることができ,大変勉強になります。また,実際に顔の見える関係作りに役立っており,たくさんの出会いをいただいております。
地域包括ケアシステム構築の一助になると思います。
ご興味のある方はぜひご参加ください。
日時:2015年10月31日(土)午後2時30分~午後6時30分
会場:JR高崎駅直結のホテルメトロポリタン高崎
(東京駅から1時間弱、上野駅から約45分)
参加費:フォーラムは2000円(当日券),
情報交換会は6000円(当日券)を予定
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もう一つ,公開講座として,千葉県柏市の先進的な取り組み「柏プロジェクト・柏モデル」について,柏市医師会の古田達之医師より講演がありました。
数年間に渡る具体的な取り組みとして,システム構築方法,行政・医療・介護の連携方法,市民啓発方法についての紹介があり,「流石」と思う反面,「相当大変だな」との感想を持ちました。また,行政と医師会の強力なタッグがあって初めて成り立つのではないかとも思ってしまいました。群馬県内でもぜひ,同様の動きがあればと思います。
午後は,ワールドカフェスタイルにより,地域包括ケアシステムを構築するために,個々の参加者が何を出来るか?について話し合いがなされました。基礎資格の異なるケアマネさん達から様々な意見が出ましたが,共通していたのが,「医師との連携(必要性が高いが実現困難)」ということでした。
高齢者を取り巻く医療・介護業界は,多職種・多事業所が関わります。関わりを持つ方々の顔が見え,スムーズな連携が図れることが,高齢者本人の快適な生活には非常に重要であると強く感じました。そして,連携にはまだまだハードルが高く課題が多いことも分かりました。
多職種による連携を可能にするには,どのようなシステムを構築するのかという問題も重要ですが,現実的には,相互に顔が見え,相互の職種の理解が進み,相互の人となりが分かること,というアナログ的な側面が非常に重要ではないかと感じています。
また,連携と取るためには,多職種が相互にフラットな関係を構築できなければなりません。高齢者ご本人に関わる方々が,高齢者ご本人に纏わる有益な情報の共有ができることが望ましいでしょう(個人情報保護の問題は生じますので,弁護士の出番でしょう)。
2年連続で参加してみて,この1年間にケアマネさんの知り合いが増えたことを実感しました。地道ですが,それぞれの専門職種の方々が,少しずつ世界を広げて行き,連携を深めていくことが大切ではないでしょうか。
自戒を込めて…
まずは,できることから行動に移しましょう!
弁護士法人龍馬HP http://www.houjinryouma.jp/
カンボジアの学校は,午前・午後の2部制となっています。そのため,生徒は半日しか学校で教育を受けられないことになります。裕福な家庭であれば,足りない教育を私費で受けさせることもできるかもしれません。しかし,多くの家庭ではそれはできません。このような教育格差を是正するために活動している日系のフリースクールにも訪問させていただきました(写真)。子ども達の屈託のない笑顔がとても眩しかったです。
ところで,最近,海外で活躍する日本人の特集をよくテレビで目にするようになりました。この日系のフリースクールの活動のように,まだまだ知られていない日本人の海外での活動がたくさんあるのではないでしょうか。今回の視察にて,カンボジアにて活躍されている方々とお会いしてそう感じました。
今回の視察は,現在,王立法経大学日本法教育研究センターにて活動されている篠田弁護士の取り計らいにより,実現することができました。海外視察は,現地でのコンダクターがいないと中々実現することは難しいことで,先生には本当に感謝しております。また,カンボジア法整備支援の活動の担い手であるJICA(国際協力機構)の法律アドバイザーとして赴任されている裁判官・検察官・弁護士にも歓迎いただき,また,興味深いお話をお聞きすることができました。法整備支援の活動は,カンボジアのみならず,ベトナム・ウズベキスタン・ラオスなどでも行われているとのこと,このような責任ある重要な国際貢献を担っている方々にも,頭が下がります。
今回のJICAへの視察がきっかけで,逆にカンボジア法曹関係者の群馬弁護士会への訪問も決まっています。地方レベルでの法曹の国際交流はほとんど皆無といってよく,こういったことがきっかけで国際交流が進めば素晴らしいですね。
ここのところ毎年,仕事から逃げるようにして,私費で参加している各国訪問の活動ですが,小さな小さな活動が,地方と海外を繋ぐ突破口になればよいと思います。
いつか予算がつくことがあるでしょうか 笑
弁護士 金 井 健
ところ変われば裁判変わる?
裁判傍聴芸人である阿曽山大噴火さんという方の話は面白いですね。弁護士からみて当たり前になっているようなことでも,一般の人にとっては珍しいことが多いようで,視点が斬新です。でも,裁判って,日本の裁判を当たり前に考えていると,また外国で傍聴すると全然違って驚きます。
まず,法廷の構造が違います。下の写真は,許可をもらって撮影したカンボジア初級審内の様子です。まあ,どちらかといえば日本に似ている方でしょうか。しかし,証言台の柵がやや高く感じます。また,写真では写っていませんが,裁判官の頭の上のところに国王の写真が掛かっています。さらに,写真には出入口も写っていますが,傍聴席には出入り口はありませんでした。裁判中に法廷内を傍聴人が出たり入ったりするのは違和感が…裁判に集中できないし。
裁判の手続きについては,当然クメール語だったのでよく分かりませんでした。刑事裁判で黙秘権の告知はあったかな?民事訴訟法は日本ととてもよく似ていますから,民事事件の手続は似ている…はず?まあ,ここら辺は少し傍聴しただけでは分かりません。
判決文はどうでしょうか。神木先生によれば,カンボジアの判決には理由がほとんどなく,日本のそれと比べると論理に欠けているとか。法律があっても,裁判官がそれをきちんと適用できていない可能性があります。しかし,法の適用には明らかな過ちを指摘できることはあったとしても,これが正解というのはないでしょう。これは,法整備支援活動の難しさなのでしょうね。
そして,これは信じがたいことではありますが,随所で聞かれる話では,裁判を受けるにあたって,裁判官にお金を渡すことがよく行われているというのです。これでは公正な裁判が行われようはずがありません。これが本当かどうかは分かりませんでしたか,しかし,そういうことがまことしやかに言われていること自体が,この国の司法権に対する信頼の低さを物語っているように感じました。
裁判官の金銭の授受は賄賂に他なりませんが,こういうことが行われる背景には,法曹資格になるために多額のお金がかかるため,かかった費用を取り返すために行うという話も聞きました。試験に合格するために試験管にお金を払っているとも…負の連鎖ですね。ちなみに,カンボジア弁護士会でこのような事実があるか聞いたところ,きっぱり否定されました。
最近、ヒューマンライツナウという団体が,ユニクロやジーユーと取引のあるカンボジアの工場で重要な人権侵害が行われているという疑いがあることを発表しています。カンボジアの司法権がしっかり機能していないことが,このような人権侵害の温床になっていると思われるところでもあります。
つづく
弁護士 金 井 健
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弁護士資格が国際ライセンスになる日は来る?
さてさて,近年,発展著しいカンボジアでは多くの外資系企業が進出しています。日本企業の進出も増加しています。しかし,企業の進出にはリーガルリスクがつきもの…そんなときに心強いのは,現地法に精通している専門家です。
私たちは,カンボジア唯一の日系法律事務所にも訪ねることができました。この事務所のパートナーである神木弁護士は,カンボジアの弁護士と協働して主に日系企業などに法律的なアドヴァイスを行っているとのことです。神木弁護士は,クメール語も堪能で,法文も原文のまま読むことができます。
カンボジアの弁護士資格を有する者は,約900名程度(うち女性は180名程度)とのことでしたが,その中で外国語,特に日本語のできる弁護士はいたとしても極めて少ないでしょうから神木先生のように現地語の話せる日本弁護士の存在はとても重要です。他方で,カンボジア弁護士会では,カンボジア国内で外国弁護士資格ないし資格すらないものが活動していることに敏感になっています。
カンボジア弁護士会の会長にお会いした際は,まず最初に外国弁護士の話題でしたから,関心の高さが伺えます。そして,カンボジア弁護士会では,特定の国の弁護士がカンボジア国内で活動したければ,カンボジアの弁護士がその国で活動できるよう協定を結ぶよう求めているようです。ちなみに,現在,そのような協定を行っている国はないとのことでした。しかし,パリの弁護士会とは前向きに話し合っているとのことです(リップサービス?)。
「その国での活動」がどのようなことを意味していたのか(その国の法廷に立てるということなのか)までは判然としませんでしたが,他の国の弁護士資格で日本の法廷に立てるなんてことを認めようとしようものなら日本弁護士連合会は大反対でしょうから,協定の締結は極めて困難なことだと思います。しかし,仮に,パリの弁護士会がそのような協定をカンボジア弁護士会と結んだとしたら,法整備支援主導国である日本はどのような対応をするのでしょうか。
また,このような協定が全世界で進んだらどうなるだろうかと妄想してしまいます。勿論,私が生きている間にそのようになる可能性は低いと思います。しかし,長い目でみれば,法曹資格はやがては国際資格となっていく可能性もあります。
今,日本では,弁護士の数をこれまでよりも少し減らしていくような議論がなされています。もちろん,人数の問題ではないですが,来たるべき時代に備え,また議論を先導して行くには,ある程度の弁護士数を確保しておくことは必要なのではないかと思ってしまいます。
弁護士 金 井 健
つづく
プノンペン市内は,インフラも急ピッチで開発が進む。今のところ,カンボジアに進出する日本企業は,現地の日本人を主な顧客とする場合が多い。そのため少ないパイを奪い合うことになる。徐々にカンボジア人向けにシフトしていくだろうか。