2006年9月 Archives

養育費相談

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(質問)
 私(39歳女性)は,離婚の協議において,子(9歳)の養育費を,夫が経営する会社の給与名目で,婚姻時名義の口座に,振込入金を受ける約束をし,前夫から振込入金を受けていました。
 ところが,銀行から,離婚後の名義に統一してほしいと依頼がありました。しかし,これでは,前夫から給与名目の養育料を受けられなくなりそうです。
 前夫に対して,どのように説明したらよいでしょうか。


(回答)
 相談者は,前夫に対して,養育費を子ども名義の口座に振り込むよう伝えれば足りることです。
 そもそも,相談者である親権者母は,子どものために養育費を受領するものです。前夫であり,非監護者である父は,本来,自分の元で子どもを育て,監護すべきであるところ,母一人に監護を委ねているに過ぎません。
 ですから,前夫側の事情は事情として,相談者は,離婚時の約束事に拘束されることなく,子の養育のための費用を請求すればよいのです。
 仮に,給与だから払うという前夫側の理屈からこじれることはあっても,きちんと説明し対応しなければなりません。
 当事者間で解決できない場合には,「子の監護に関する処分(養育費請求)」の調停申立をしてください。
 付言するに,父は,子に対してできる限りのことをしてあげたいと願っていると考えましょう。別れた父は,日々子の笑顔を見ることもない状況で,自分の生活を犠牲にして少なくない金額を送金することに積極的ではありません。
 それゆえ,多様な離婚状況があるとしても,できるなら父子関係を継続できる余裕を持って,前夫に上記説明をしてください。