2005年7月 Archives

 医療現場などで、個人情報保護法を理由に、必要な情報開示にストップがかかってしまうという過剰な反応が出てしまっている。
例えば、福知山線事故におけるJR西や病院に対する被害家族の安否確認に、保護法を理由に情報開示を拒絶したなどの動きである。
 個人情報保護法が、個人情報の目的外利用や第三者提供を制限したことから、過剰気味の反応をしたといえよう。
 保護法のねらいは、個人情報を非公開にするのではなく、個人情報の有用性に配慮しつつ、適切に取り扱うことにある。
 医療現場において、患者は、傷病の回復を目的として病院に行き、病院は、患者に対し適切な医療の提供に必要な個人情報を取得する。とすれば、傷病の回復という目的のために必要な個人情報を開示する事が求められた場合には、第三者に提供すると個別に判断すべきであろう。(当ホームページPowerPoint「医療における個人情報」参照)
 もちろん、厚生労働省のガイドラインによる説明が基準とされることになろうが、法令等の例外を除き、個別事例での判断は、現場担当者に委ねられている。現場担当者は、第三者に個人情報を提供すべきかにつき、本人の同意があるか否か、また得られるか否かを検討することが、求められている。

高齢者に対する次々販売

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高齢者に対する次々販売被害が目に余る状況である。
1問題状況
①一人暮らし世帯が増え、判断能力が不十分な高齢者が増加。
②本人に被害意識がないため、被害が表面化しにくい。
③クレジット契約による高額の商品・役務の購入。
2防止策
①高齢者関係者と消費生活センターとの連携。
②行政による不適正取引行為の取り締まり、違反業者名の公表。
③信販会社の加盟店管理のあり方の見直し。
 例えば、東京都条例では、「返済能力を超過した与信契約の締結を勧誘すること、違法な販売が行われている事実を知りうることができたにもかかわらず与信契約を勧誘すること等を不適性行為として禁止している。」
 群馬県条例でも、都条例を参照し実効性ある県条例へと改正をすべきである。
 また、群馬弁護士会消費者委員会においても、高齢者等被害者救済のための訴訟支援や、成年後見制度の利用支援についても、県と連携を図るべき時に至っていると考える。

成年後見の概略

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 今後、このブログに、業務に必要な資料や統計などを記載していこう。

成年後見制度
1,申立件数 平成16年度は、17.246件。
2,うち、後見申立が、14.532件。
3,申立審理期間は、3ヶ月内が51%。
4,申立人は、親族が主であり、市町村長が509件の申立。
5,申立動機は、財産管理、遺産分割協議、身上監護等。
6,鑑定期間は約1ヶ月、鑑定費用は5~10万円。

付言:申立にあたり、財産目録等、整理する必要がある。また、鑑定が後見相当であれば、審理も用意であるが、保佐案件となると代理権授与等で調査官調査があり、審理期間も延びる。

消費生活条例の改正

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 群馬県消費生活問題審議会が、7月4日、開催された。消費者基本法に基づき消費生活条例を改正するための審議である。
 日程は、平成17年9月に、第2回目の審議会が開催され、同10月パブリックコメントを募集する。同11月条例原案が作成され、翌18年2月の県議会で改正条例が制定される予定である。
 私が考える条例改正ポイントは、おこのぎ法律事務所のサイトマップ「消費者基本法」に掲載してある。
 私は、審議会委員として、これらのポイントを踏まえ、意見を述べていきたい。また、皆様のご意見を寄せていただき、他県と肩を並べる群馬県消費生活条例に改正したいと願っている。