2013年6月 Archives

 弁護士板橋です。

 先日,群馬弁護士会高齢者障害者支援センターの委員として,「桐生見え検」(http://kiryumieken.web.fc2.com/)に参加させていただきました。
 「桐生見え検」とは,対応困難な認知症高齢者の問題事例について,具体的な問題点を多職種(医師,看護師,介護士,ケアマネ,地域包括職員,司法書士,薬剤師等々)で共有し,適切な対応策を協議していくことを目的とされております。

 当日の検討事例は,とある一人暮らしの高齢者(女性)が抱える問題点,具体的には,収入の問題,ご家族との問題,病気の問題,身体的問題等々につき,当該高齢者の情報を共有しつつ,多職種の方々が,様々な観点から,問題解決の糸口を探していくものでした。
 生活保護申請のポイント,ご家族への対応方法,医師や看護師からの日常生活に関するアドバイスや危険性の指摘,関係機関の活用方法等,実に具体的かつ実践的な検討がなされておりました。
 高齢者の抱える問題の多さ,対応されている関係者の活躍・苦悩を間近で見聞できて大変有意義な時間を過ごすことができました。
 弁護士の立場で参加して,高齢者を取り巻く問題点の中には,施設やサービスの契約の問題,行政への申請・協議の問題,親族間の扶養義務や相続の問題,隣人とのトラブルの問題,借金整理の問題,成年後見制度の活用の問題等,法律的な予防や解決が必要であることを感じました。その為には,当該高齢者を支えている関係者の方々との連携や,弁護士へのアクセスの問題が課題であるとも感じました。
 

 弁護士法人龍馬では,福祉関係者からのご相談をお受けする機会が増えております。
 弁護士法人龍馬をご活用していただけることで,弁護士へのアクセスを解消できるよう,がんばろうと決意しました。

弁護士 板橋 俊幸
弁護士法人龍馬HP:
http://www.houjinryouma.jp/

親族内事業承継

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 「龍馬かばん」を経営している現経営者の龍馬太郎は,約40年前に鞄製造業を個人で開業した。その後,太郎は事業を法人化(株式会社龍馬かばん)し,現在では従業員約20名程度の規模になっている。

 

 太郎には,子ども一郎,次郎,花子の3人がいる(太郎の配偶者は既に他界している)が,すでに後継者を長男の一郎と決めている。

 太郎の現時点での資産は,株式会社龍馬かばんの総株式の90%分(9000万円相当),事業用地(時価1億3000万円相当),自宅マンション(時価2,000万円相当),現金その他500万円相当あり,株式会社龍馬かばんの2,000万円の債務について連帯保証している。

 太郎は,一郎に事業を承継するため,全ての財産を一郎に相続させる旨の遺言を作成しようと考えているが…


 この事例は,池井戸潤氏の小説「かばん屋の相続」をモデルとしたものです。この小説自体,京都の「一澤帆布」から着想を得ているということは有名です。

 「一澤帆布」は,2つの遺言書を巡って大いにもめることになりますが,小説では,社長が生前に事業承継について思い描いた取り計らいが,死後,結果的にはよい方向に向かうことになります。

 円滑に事業承継を行うには,先代社長の事前の入念な準備が必要です。

 

Q,太郎さんが事業承継対策を行う必要性はどこにありますか?

 法定相続(一郎・次郎・花子,それぞれ法定相続分は3分の1)によると,自社株式や事業用資産を後継者に集中させることができなくなります。
 例えば,株式が相続されると相続人の準共有となり全員の同意がないと議決権行使ができなくなります,また,不動産が共有となることで資金調達が困難になります。
 このように,事業承継対策を行わないと,先代の死後,事業の停滞を招くおそれがあります。

 

Q,太郎さんが事業承継対策を講ずるときにどのような点を注意するべきですか?

 一郎さんを後継者として全てを相続させるのであれば,他の相続人の遺留分や相続税は特に配慮する必要があります。

 

Q,遺留分や相続税対策としてどのようなことが考えられますか?

 遺留分対策:議決権制限株式の発行,経営承継円滑化法による固定合意や除外合意の利用など
 ・ 税金対策:納税資金を残す・納税猶予制度の利用などの方法があります。

 

Q,遺言ではなく,生前贈与を行うメリット・デメリットはありますか?

 メリット : 権利の取得時期が早い,確実性,執行行為が不要
 デメリット: 現経営者が元気なうちから経営を退くことになる(ただし,種類株などで対応することもできます),特別受益該当性
 ・ 贈与税対策‥ 相続時精算課税制度の利用,納税猶予制度

 

Q,弁護士に相談した場合,どのような流れで事業承継を進めることになりますか?

Ⅰ まず,会社の現状の把握が必要になります(調査・分析)。
  会社の状況の把握,経営者個人の状況 ,後継人の状況
Ⅱ 次に,後継者を決定します。
Ⅲ そして,実際にどのように後継者に事業承継するか, 事業承継計画を作成します。
Ⅳ 事業承継計画を実行します(遺言の作成,議決権制限株式発行など計画の内容によって異なります)。

 

Q,事業承継の相談や依頼をする場合,弁護士費用はどの程度がかかりますか?

① 事業承継に関しての相談(初回相談無料,2回目以降1時間1万500円)
② 事業承継の計画作成費用
  会社の資産状況や内容などに応じて,ご相談させていただきます。
  例えば,前述事例程度(標準)の場合,63万円(消費税込み)~ 
※  顧問契約がある場合の料金は異なります。
③ 計画実行費用
  遺言作成費用など応相談にて対応させていただきます。

 

弁護士 金 井  健

弁護士法人龍馬 http://www.houjinryouma.jp/

 

 

 

 

 

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