2011年4月 Archives
ホームページ改訂準備中です。スマートフォンに対応するため,小さな画面でも読み込める内容にしました。なかなか,見る側の目で法律の現場を説明することができませんでした。法律用語は外国語と同じであり,言葉一つ用いれば,その意味を説明しなければ理解困難だからです。
今までのホームページでは,パワーポイントで図示化し,視覚的に説明してきました。ところが,スマートフォン対応では,一枚の図でも容量が大きいため,時間がかかってしまいます。それゆえ,改訂作業が必要となったのです。
今回は,手作りのホームページではなく,プロによる製作です。よりシャープなページとなり,さくさくと読み込めるものとなっています。
私自身,スマートフォン購入の模索中ですが,次から次へと新機種が発売予定となり,新しいものに目が移りがちです。いつになったら,自分の手元に届くのでしょうか。
新ホームページには,私が皆様から質問を受けるたびに答えてきた「弁護士法人龍馬」の由来も掲載しました。龍馬と弁護士とのつながりが私の念頭に思い浮かんだので,「龍馬」の名を弁護士法人名としたのです。
龍馬は,権力の外にいる人間でした。龍馬の外伝では,土佐から江戸に来て剣術修行をし,「剣」で日本を守るという志を持ちました。高杉晋作らと交流し,「ピストル」で身を守る術を得ました。そして,権力と戦うためには,暴力ではなく国家を規律する「法」で社会を動かしました。
私の考えと龍馬の言い伝えとが,まさに合致したのです。
弁護士法人龍馬HP http://www.houjinryouma.jp/
認知症ケアシンポジウム『認知症の終末期医療-自分の最期の生き方を考えるために-』(2011年6月16日昼の12時半より一橋ホールにて開催予定)において行われる私の担当部分「終末期医療と自己決定権」の抄録原稿を掲載する。
1 終末期医療には,「生きる」ことに対する価値観の対立がある。一方は,生命それ自体を尊重する価値観や一分一秒延命させる医の論理から,できるだけ患者の生命・肉体の機能を維持すべきことになる。他方は,生命の質を尊重する立場や過剰医療と考える立場から,患者に対し肉体的・精神的苦痛の大きい治療はせず自然のまま死を迎えるべきとする価値観であり,前者と対立する。
そして,延命治療に対する自己決定権尊重の観点からは,第1に,判断力ある人,事前指示書のある人の選択が尊重される。第2に,判断力・事前指示書のない人に対しては,本人の意思を推認できる家族の同意が求められる。
2 しかし,終末期医療に対して,高齢社会化とともに単身世帯の増大は,家族のない人を増大させ,2000年の介護保険法及び後見に関する法の施行以降,家族による介護から,社会による介護へと大きく基盤を移行してきた。
ところで,お金も余裕もある人は,自分の最期の生き方を考えることができ,終末期医療に対し事前指示書を残すことができる。これに対して,お金も余裕もない人は,終末期医療に対する問題意識を持つこともない。
そこで,自分の最期の生き方を考えることができるお金も余裕もある人に,終末期医療に対する事前指示書を普及させ,その影響のもと社会通念へと醸成させ,法的整備へと波及していくことを期待する。
3 そのためには,終末期医療に対する同意の意義・手続が整備されなければならない。本人が,自分の最期の生き方を考える契機となる事前指示書作成にあたり,適切な情報提供と説明が求められ,それが本人の意思決定となる。手続にあたり,本人のホームロイヤーとして弁護士が代理人となり,公証人による事前指示書(私署証書)の認証を受ける。
これは,遺言が死後の自己決定権の尊重であることに比し,事前指示書が終末期の自己決定権の表現として,事前指示書作成手続を遺言手続と同様の形式性をもたらせ,同一の価値を認めることになる。
4 本人による終末期医療に対する意思が明らかとなれば,延命治療に対する家族の苦しみが軽減され,過剰医療に対する抑制ともなる。
しかし,家族の同意は,終末期医療に伴う家族の経済的・精神的負担が影響し,後日の問題を発生させる。川崎協同病院事件における家族の同意の認定は,第1審判決と第2審判決とで事実認定が食い違う結果となるなど,微妙な問題を孕む。
また,後見人に医療同意権が与えられていない現状では,後見人の同意がないことを以て,逆に医療の抑制,すなわち認知症患者に対する大腿骨骨折の手術をしない等の理由とされる。
5 以上の問題意識のもと,終末期医療に対する本人の自己決定としての事前指示書,家族の同意,後見人の同意に関し,問題点を明らかにしつつ,医療同意法及び患者の権利に関する法律大綱案を検討したい。
以上
弁護士法人龍馬HP http://www.houjinryouma.jp/
高崎市役所の周囲にお堀があり,桜の木が並んで植えてあります。
今年は少し開花が遅く,ようやく見頃を迎えました。
陽気がよくなってきたこともあり,お昼を手早くすませ,散歩がてらお花見をしています。
薄いピンクの花びらが舞う風景を眺めていると,心が落ち着き元気になります。
私が桜を眺め,元気をもらえたように,悩みを抱えた多くの相談者に
この元気をわけることができるよう,仕事に励みたいと思います。
掲載した写真は,私が撮影した中で,一番満開の桜の写真です。
弁護士 舟木 諒
弁護士法人龍馬 http://www.houjinryouma.jp/
本日,群馬弁護士会での会務の分担がありました。
会務とは,群馬弁護士会が,内部的には当該委員の,例えば,「高齢者問題」「住宅問題」「消費者問題」に精通できるようベテランから若手に対して経験を語る機会を持たせることであり,外部的には当該専門弁護士が対外的機関との連携をとる業務です。
「高齢者問題」であれば,群馬高齢者障害者支援センターが社会福祉士会や社会福祉協議会さらには,さらには,地域包括支援センターや県高齢課などと連携をとり,研修等に協力します。
「住宅問題」では,建築士の方々と住宅紛争処理機関で仲介斡旋業務を行い,県住宅相談センターには,弁護士相談員を派遣します。
「消費者問題」であれば,消費生活センターからの情報交換,集団消費者被害の対応などを行います。
ベテランとなってしまった私は,この経験を若手に伝えるため,委員長や副委員長としてこれら委員会活動をすることとなりました。せっかくの機会ですから,対外的に各専門機関と連携を強化努力し,新たな問題に対する情報を刷新していき,新鮮な頭脳へと更新しましょう。
おこのぎ
弁護士法人龍馬HP http://www.houjinryouma.jp/
成年後見人は,その事務の一環として,被後見人の財産を確保し,または他に財産がないかを調査するなど,被後見人に代わって本人の財産を管理する業務を担っています。
そのため,成年後見人は,被後見人名義の預金口座が存するとき,金融機関等に対して後見人が選任されたことの届出を行い,また,判明している口座以外に預金取引が存すると窺われる場合には,その取引履歴等の開示を求めます。
しかし,成年後見人が,このような手続をとる際,金融機関によってその取扱いは様々です。
実際に,成年後見人が各種届出を行う際,金融機関から以下のことを求められました。
① 被後見人の署名や取引印の押印を必要とする。
しかし,成年後見人は,裁判所によって選任され,本人に代って財産を管理する権限を付与されます。とすれば,届出において被後見人の署名や取引印の押印は必要ないと考えます。
成年後見制度の申立をする以上,多くの場合,被後見人が自署することは困難です。取引印を紛失していたりすることもあります。紛争性の高い事案では,親族が取引印を引き渡さないこともあります。実際問題として,被後見人の署名や取引印の押印は不可能なのが現状です。
② 成年後見人個人の実印とその印鑑証明書を必要とする。
また,金融機関によっては,本人確認のため,成年後見人個人の実印と実印の印鑑証明書の添付を求めます。
しかし,紛争性の高い事案等を担当することの多い弁護士の場合,自宅住所の記載された個人の印鑑証明書の提出は業務妨害等のリスクが考えられます。
また,成年後見人であることを証明する登記事項証明書は事務所住所が記載されており,印鑑証明書上の住所(自宅住所)と登記事項証明書記載の住所(事務所)とが一致せず齟齬が生じます。
そのため,金融機関に対しては,これに代わるものとして,弁護士の職印と弁護士会発行の印鑑証明書(事務所住所)で足りる旨説明し,同印鑑証明書を添付しました。
現在,日本では急速に高齢化が進んでおり,今後,益々成年後見制度が利用されることが予想されます。このような高齢化社会に対応するため,成年後見制度を利用しやすく,また,成年後見人が迅速に財産管理等の事務を遂行できるような取扱いが求められます。
弁護士 星野 啓次
弁護士法人龍馬HP http://www.houjinryouma.jp/
群馬県内でも,東日本大震災による雇用情勢の急激な悪化が懸念されています(毎日新聞2011年4月6日地方版)。
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20110406ddlk10040110000c.html
手形の不渡り猶予や,既往債務の返済猶予,災害復旧貸付,雇用関係調整法の適用緩和など,種々の対策を活用し,何とか企業・雇用を守って欲しいものです。
実は,群馬県は,草津・伊香保・水上…と日本有数の温泉地を抱えるなど,観光産業も盛んです。震災後,自粛ムードや原発事故の風評により,キャンセルが相次ぐなど,観光産業にも影響が及んでおりました。
そこで,4月6日,群馬県の大澤知事は,被災地の温泉割引プランとして,宿泊者1人につき100円程度を義援金として宿泊施設から被災地に寄付するなどのキャンペーンを実施することを発表いたしました(産経ニュース)。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110406/lcl11040616330001-n1.htm
過度の自粛は,経済活動を停滞させ,復興を遅らせることにもなります。たくさんの方に利用していただき,観光産業の復興・発展を願うばかりです。
弁護士 舟木 諒
弁護士法人龍馬HP http://www.houjinryouma.jp/
御存知の方もいらっしゃると思いますが,厚生労働省老健局高齢者支援課では,「認知症サポーター100万人キャラバン」(http://www.caravanmate.com/)というキャンペーンを行っております。
その一環として,高崎市では市内各地で,「認知症サポーター養成講座」を開講しています。 受講した方には,「認知症サポーター」となり,オレンジリングが渡されます。認知症サポーターとは,認知症を正しく理解し,偏見を持たずに,認知症の方,そのご家族を温かく見守る応援者をいいます。特別なことをする者ではありません。
高崎市には、平成22年12月現在で1万3000人以上の認知症サポーターがいるそうです。そして,私も認知症サポーターの1人です。オレンジリング持っています。
現在,認知症患者は全国で220万人を超えるといわれております。2015年には約250万人,2035年には約337万人と予想されております。現代の日本は,5人に1人が高齢者(65歳以上)です。皆さんの誰もが高齢者となります。どんなに気を付けていても,認知症に罹患してしまう可能性を有しているのです。
現在,待ったなしで高齢化が進んでおり,認知症患者の介護のみならず,介護現場全般で,あらゆる支援が必要となっております。身上看護のみならず,財産の管理や施設との契約などの日常的に身近な法律問題も生じてきます。
したがいまして,高齢者,認知症患者等の権利擁護のためには,家族,行政機関,医療関係者,介護関係者の協力のみならず,弁護士などによる法的支援も重要になります。弁護士法人龍馬は,介護に携わる全ての方々を応援いたします。
認知症や介護の話になると,とかく暗い話になりがちですが,年を取れば皆が歩む道ですので,社会全体で力を合わせ,明るく楽しい人生を歩んでいきましょう。
弁護士 板橋 俊幸
弁護士法人龍馬のHP:http://www.houjinryouma.jp/
東日本大震災は,続く福島原子力発電所の事故やそれに伴う計画停電も含めて,日本全体に多くの被害をもたらしました。しかし,下を向いている暇もなく,今後は復興に向けての活動が活発になるでしょう。
復興に向けて,必ず問題となるのが,法律問題です。群馬県は,幸いにして東北地方に比べ被害はそれほど大きいものではありませんでした。それでも,例えば,顧問会社様から震災の際の労働契約についてなど震災関連の質問が寄せられて来ています。
震災に関する法律問題の解決に当たっては,
近弁連編「地震に伴う法律問題Q&A
http://www.shojihomu.co.jp/0708qa/0708qa.html
関弁連編「Q&A災害時の法律実務ハンドブック」
https://www.sn-hoki.co.jp/shop/zmsrc/qa50593/mokuji.htm
も参考になります。参照してみて下さい。
また,今回の震災によって,群馬県にも,片品村,みなかみ町,東吾妻町などに多くの被災者の方々が避難されてきています(群馬県の発表では,3月29日の段階で,3,406名)。群馬弁護士会は,避難者支援として,有志者による①無料電話相談,②避難先への出張無料相談を行っていく意向を決めたようです。私たちも,群馬弁護士会の支援活動に参加することで,震災からの復興支援ができればと考えています。
弁護士 金井 健