2005年5月 Archives

 偽造キャッシュカードと盗難キャッシュカードによる預金不正引き出し被害について,預金者保護制度がようやく整備される。
 今まで,金融機関側は,現金自動支払機によりキャッシュカードと暗証番号を確認して預金の払い戻しをした場合には,原則免責された。
 2005年5月13日,金融庁は,キャッシュカードの盗難等による預金不正引き出し被害の補償について,新たな自主ルールを改定するよう要請するとのことである。

「偽造キャッシュカード問題に関するスタディグループ」の第二次中間取りまとめ公表について(金融庁HPより)

 具体的な事件として,ゴルフ場を舞台にした事件がある。
1,偽造キャッシュカード 
 ゴルフ場の客が,貴重品をセ-フティボックスに預けていたところ,窃盗団の一味であった支配人が,ボックス内のキャッシュカードをスキミングして偽造カードを作成し,預金を引き出した事件である。
 偽造カードに対する預金被害については,アメリカでは,50ドルルール,イギリスでは50ポンドルールがあり,預金者の預金は保証されている。
 日本でも,原則として金融機関側が全額補償する方針が決まった。
2,盗難キャッシュカード
 同じく,ゴルフ場のセーフティボックスの目隠し部分に小型カメラを設置し,客がボックスの暗証番号を打つ手の動きを撮影し,カードの暗証番号を察知し,ボックスからカードを盗み出し,預金を引き出し窃取した事件である。
 盗難カードの場合は,真正カードによる預金引き出しであるので,預金者側の過失に応じて過失相殺し,標準として,金融機関が50%,預金者が50%の責任を負う形である。但し,預金者に重過失がある場合,すなわち,暗証番号をカードに記した等の場合には,補償されず預金者が負担することになる。

個人情報

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「個人情報保護法とコンプライアンス」として,
Ⅰ.個人情報保護法
Ⅱ.コンプライアンスと内部者通報制度
を取り上げて,HP上のパワーポイントスライドで説明しました。
今回のパワーポイントは,いずれも,「個人情報]がキーポイントです。
「個人情報」は,個人情報保護法の対象であり,コンプライアンスとして漏洩防止策が必要となります。架空請求や偽造カードという社会的事象から捉えれば,個人情報問題が,我々にとって身近な問題であることがわかります。
 さて,個人情報法保護法は,個人情報の利用の有用性に配慮しつつ,個人の権利利益を保護することを目的とします。それゆえ,個人情報の漏洩防止にとどまらず,個人情報を巡る各場面(取得・利用・管理・提供)の取り扱いが対象となります。
個人からの相談事例については,個人情報に関する理解が必要となり,かつ苦情処理窓口として消費生活センター等へのアクセスが期待されるでしょう。
 そして,事業者にとっては,個人情報保護対策もコンプライアンスの一事例となります。内部者通報制度は,コンプライアンスを確保する有効な手段です。
 巧妙な犯罪が,個人情報の不正取得に端を発していることからも,事業者の個人情報の保護対策が望まれるのです。

土曜日

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おこのぎ法律事務所は,土曜日も業務をしております。
サラリーマンの方など,平日,勤務され法律相談にくることができない人にとって,この週末業務は役に立っています。
土曜日は,電話も少なく,落ち着いて相談にのることができます。また,日々,調べることができないでいた図書にも目を通すことができます。
相談業務がないときには,ときおり,息子を連れて来る日でもあります。
父親が働く背中を見て,しっかり育ってくれるといいのですが。
ということで,私にとっては,心地よい一日となっています。