ユーザー (#2)2009年10月 Archives

   早,来年の予定を考え始めました。法人化と新規事務所の開設です。従前からの構想どおり,高齢者問題に特化した事務所の設立です。予定どおり行くかどうか,有言不実行の私としては,こうしてブログに予定することで実現していきたいものです。

  弁護士法人「要」(仮称)の設立予定の予定

1.弁護士法人要の設立
   2010年1月,弁護士法人要(代表社員小此木清)を設立予定です。
  弁護士法人要は,従前の「おこのぎ法律事務所」と,同年7月新規開設予定の「○○○法律事務所」の二つの法律事務所を運営します。

2.設立趣意
   法人名「要」は,新規開設する「○○○法律事務所」が高齢者問題を解決するための要となる事務所になろうとの目標を持つことに由来しました。
   高齢者問題は,相続・遺言・遺産分割・成年後見などに留まらず,高齢者の消費者被害・虐待・離婚・リバースモーゲージなどの多様な法律問題を抱えております。さらに,介護・高齢者医療制度という社会的問題とともに「四つのお願い」としていかなる「死に方」を選択するかなど,個人の生き方の問題を取り扱わなければなりません。
   弁護士法人要は,高齢者問題を専門に取り扱う弁護士のみならず,成年後見に取り組む社会福祉士や司法書士の方々,認知症を専門とする高齢者医療関係者並びに同施設関係者の方々との連携協力の要となる事務所です。
   それゆえ,高齢者問題は,継続的に業務を遂行する必要があり,法人化により達成することができます。弁護士法人は,高齢者となられる皆様はもとより,養護される家族の方々の幅広いご相談・要請に誠実に応えていく決意です。

3.二つの法律事務所の運営内容
   「おこのぎ法律事務所」では,従前通り,会社法務,住宅・消費者問題,などを専門として取り組み,新規開設する「○○○法律事務所」では,特に高齢者問題を専門に取り組んでいきます。

4.問題は山積していますが,弁護士法人「要」の名に負けないよう,笑顔で楽しく取り組んでいく所存ですので,従前にもまして皆様のご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。
   以上 

 ※「四つのお願い」(または,「私の四つのお願い」)とは,
  高齢者のための事前指示書。
 たとえば,「重い病気にかかり、自分の意思を伝えることができなくなった時」に、「どうしてほしい のか」を,家族をはじめ、あなたの親しい人々に伝えるためのもの。実施に当たっては、単に事前指 示書の用紙を渡すだけでなく、一緒に考えサポートする体制こそが重要。
  以下,その項目。
    <お願い1>あなたに代わって、あなたの医療やケアに関する判断・決定をしてほしい人
    <お願い2>あなたが望む医療処置・望まない医療処置について
    <お願い3>あなたの残された人生を快適に過ごし、充実したものにするために、どのようにしてほしいのか
    <お願い4>あなたの愛する人々に伝えたいこと

友人を持つこと

|

 誰しも思うことだが,自分の心情を打ち明けられる友人がいることで,困難を乗り切ることができる。一人で思い悩むだけでは,何ら解決しない。内にあるものも吐き出すことで心の中にたまった膿も一緒に流れ出て行ってくれる。心が楽になる。
 身の回りで,近頃,鬱に悩む人が多くなってきた。世の中,非常に生きづらい。困難がそのまま心の中に溜まってしまう。 
 彼らに,語る友人がいれば,心が楽になり,明日また元気になれる。

 弁護士は友人ではないが,法律問題を原因とする心の悩みを,問題解決の過程で聞き取り,共有する。誰もが経験することではないが,弁護士は,業務の中で疑似体験する機会を持つ。それゆえ,法的解決はもとより,解決困難な問題に対しては,例えば,「あきらめる」という受容を勧めることができる。

 一説によると,社会には社会的適応の不全なタイプが10%くらい存在するという。他人への嫉み,妬みを心の底に持つ人は数多い。人間は,決して理性的な存在ではない。自己管理ができない人は人の助言も受け入れない。(矢部正秋著『弁護士の仕事術・論理術』より)


 このような人生訓がもっともだと感じる年頃となった。30代では,親切かつ善意に接することで,わかりあえると考えていた。50代となり,他人への恨み,つらみ,嫉妬,羨望,猜疑心などが,人の感情に深く根付いていることに否が応でも気づかされる。

 性善説でなく,性悪説にたって,弁護士として行動する術を身につけるべきだ,との主張に共感する。
 弁護士の仕事は,人生訓を根底として法律を駆使することで,人との紛争を解決すべきということである。

 

 

 昨日(10月2日),群馬県ケアマネージャー現任者研修における講師をつとめた。演題は,「高齢者の消費者被害とその救済」である。前橋市民文化会館の大ホールで250名ほどの参加だった。講習にあたり,「介護支援員実務研修受講試験問題」をみずから解いてみた。手応えのある問題であった。

 一方で,消費者問題を扱っている弁護士や行政関係者にとって,福祉関係は未知の分野であり,他方で,福祉関係者にとって消費者問題は未開拓の分野である。なぜなら,共通の高齢者問題を取り扱っていながら,消費者問題は,取引上の法令の適用であるのに対し,介護問題は,現場での精神的・身体的取扱の問題だからである。
 しかし,対象として高齢者という社会問題であることは共通している。
だからこそ,両者の連携を図るネットワーク作りが重要な課題となっている。
 本講習で,両者の間隙がわずかであれ埋まることができたであろうか。今後,高齢者問題をメルクマールとして,福祉関係者との交流を図っていきたい。