ユーザー (#2)2011年8月 Archives

2011.08.23ブログ掲載用写真.PNG8月19日,NPO法人じゃんけんぽんに,さわやか福祉財団理事長の堀田力先生が来訪された。私は,堀田先生にお会いしたかったので,ご挨拶に伺った。小1時間,談笑することができた。

 

堀田先生は市民後見人の育成に力を注がれている。私が,「最高裁が提示する後見制度支援信託制度は,成年被後見人の快適なケア・生活のために財産が使用されるべきとする成年後見制度からすると逆行する考え方により成り立っています。おかしいですよね。」などと問いかけると,

 

堀田先生は,「平成12年の改正に際し,制度内容検討に携わっていました。従前の禁治産制度と異なり,成年後見制度は,本人の意思決定が最大限生かされるような制度設計として制定されたものです。財産管理のみならず,「身上監護」についても明文により規定し,本人の権利擁護を図る仕組みになっています。このような制度理念からすると,本人の快適な生活のために財産が使用されるべきであるので,推定相続人である親族後見人ではなく,(専門職を含め)第三者後見人が原則となるべきです。しかし,第三者後見人となる人材が不足していることから,現実は原則と例外が逆転しています。理念に近づく運用がなされて欲しいですね。」とお話しされた。

 

現状の法定後見では,快適に老いることはなかなか困難であるが,高齢者の身上監護をメインに据えて,より快適な生活を求めるべきだという認識で共通することができた。

また,「施設に押し込むのではなく,地域社会全体が協力できるような体制が必要」ということも確認しあった。

 

堀田先生については,常々,すばらしい生き方をされていると思っていただけに,今回,たいへん楽しい出会いとなった。ほんとうに,堀田先生は「さわやかな方」であった。

 

NPO法人じゃんけんぽん理事長井上謙一氏とも,旧群馬町の地域活性化につき,協力し合いましょうとがっちり握手した。

 

 

弁護士法人龍馬HP http://www.houjinryouma.jp/

後見業務の本質は,あくまでも高齢者が快適に老いるためにある。ところが,実際の後見業務は,高齢者の財産の保全に汲々とし,成年後見を担当する裁判所も,目下,後見人の不正防止(財産の使い込み)対策にあくせくとしている。その結果,推定相続人が当該高齢者の資産を確保できることになる。それゆえ,法定後見は,推定相続人の申立となる。

 

しかし,本来,高齢者が築き上げた資産は高齢者の生活の質を上げるために用いられるべきだ。現況のように,高齢者の生活は,介護保険の提供によるレベルが基準となってしまっている。後見人もまた,介護保険によるレベルで高齢者の生活の質を確保しているにすぎない。同人の預金は,死蔵されているにも関わらず。

 

例えば,共感を呼ぶであろう事例として,障がい者の方が障がい者作業所で働いて得た月数千円の給料を1年ためて購入したティディベアを,一方で浪費として言い切ってしまい,当該購入契約を取り消してしまうことが,本当に障害者の幸せとは言えまい。むしろ,人として自己決定を尊重すべき観点からは,浪費ではなく快適な生活のために用いた消費というべきであろう。

 

そして,高齢者がその資産を自分のために消費するなら,それはまさに,日本経済の活性化につながるはずだ。確かに,高齢者にとって,自分が生きている間にその資産が,底をついてしまう懸念があるため,消費することができないできた。しかし,最低限,年金で暮らしていくことができ,介護保険も存する。その間,快適に老いる生活を確保すれば足りる。現状の法定後見では,前述したとおり財産管理に汲々としており,快適に老いることは困難である。

 

もし高齢者の方々が,認知症となったのち,自分のためにその資産を用いてほしいなら,しっかりしている今,自分の意思を反映させるための財産管理・任意後見契約を締結しておくことが必要だ。問題は,その費用の点である。「快適に老いる」を標榜する弁護士法人龍馬が,いかに安価でその高齢者に即した質のよい法的サービスを提示できるか,かつ,実行できるかにかかっているのだろう。

 

弁護士法人龍馬HP http://www.houjinryouma.jp/