ユーザー (#2)2010年2月 Archives

1.人は皆,齢を重ねると身体の不都合や脳力の低下も加速します。そして,この世からおさらばします。家族に頼るのではなく,自分本人ができることを準備しておくべきです。
  ・おさらばしたあと,家族のことを思いやるには,遺言で。
   ・終末期の医療に対する自己決定のためには,「四つのお願い」で。
   ・おひとりさまなら,「任意後見人」をつけておきましょう。

2.「四つのお願い」とは,終末期医療に対する事前指示書ですが,単に延命治療を望まないと表明することではなく,自分の終わり方をいかに快適に過ごし,充実したものにするか,自分が愛する人々に伝え・伝えないことを,今,自ら決定しておくことです。
  「四つのお願い」をすることは,自分の生き方を改めて考えるよい機会となります。あなたが,マイホームを建てる際,建築士に相談するように,がんになったらドクターにかかるように,自分の終わり方を,考えるようになったら,弁護士から「四つのお願い」の説明を受け,事前指示書を作成してください。

3.事前指示書『四つのお願い』は,以下の四つの項目からなっています。“あなたが重い病気にかかり,自分の意思を伝えることができなくなった時”に,

 (1)あなたに代わって,あなたの医療やケアに関する判断・決定をしてほしい人を明  確にしておくこと。
 (2)あなたが望む医療処置・望まない医療処置について正確に指示しておくこと。
 (3)あなたの残された人生を快適に過ごし,充実したものにするために,どのように  してほしいのかを残しておくこと。
 (4)あなたの愛する人々に伝えたいこと。
   上記(1)~(4)につき,チェックシートの枠内(□)に○をするか,×をするだけ,あるいは数行の文章を書くだけのものです。
  また,最初の記載がずっと有効とされるわけではありません。気持ちの変化,年齢の変化によって,その時々で再考・再確認できるものです。だからこそ,自分で自分のことがわかる間に先鞭をつけておくことが有効なのです。
  「今の私は,まだ,大丈夫」と考えている時こそが,チャンスと考えられます。
 
4.医療の現場でドクターは,患者の命を一分一秒生きながらえさせることを使命とします。そして,その使命に乗っ取って最善を尽くしてくれるはずです。私たちは,患者となった時点で信頼してドクターに身体を預けます。しかし,自分の終わり方まで委ねるべきではありません。意思あるときに,ドクターに対し,自分の終わり方を指示しておくのです。
  むしろ,本人の事前指示があることにより,ドクターもまた個々本人に対する適切な医療行為を実効することが可能となります。本人にとって無意味な延命行為を処置する必要がなくなるのです。
  翻って,終わり方を考えることは,今をいかに生きるかを考え実践することにつながります。朝日に息吹を感じ,木々の緑に癒され,落陽に我が身を照らし合わせ,眠りに休息を得ます。今,自然に生きるように終わり方も自然の流れとなります。

5.私達の人生には,自分自身ではどうすることもできない病気・死などの苦難・苦しみがあります。この事前指示書『四つのお願い』は,“あなたが重い病気にかかり,自分の意思を伝えることができなくなった時に,どうしてほしいのか”を家族をはじめ,あなたの親しい人々に明確に伝えることができます。
  あなたの家族は,あなたが本当に望んでいることについて,単なる憶測で処理しなくてすむのです。あなたの願望がわからないまま,終末期の医療について選択し続けることは,家族の苦悩を倍加させます。
  父・母・妻・夫……が死に直面した時,家族はあなたを肉体的に苦しめたくないのです。あなた自身もまた,そうに違いありません。しかし,家族には「別れを受けいれるための準備の時」が必要でもあります。
  もう回復する見込みがなくても,手の温みや頬の温かさが「あなた」を感じさせ,ともに生きた日々を感謝し,回顧し続けます。
  事前指示書『四つのお願い』によって,あなたが何を望んでいるかを知り,家族もまた,あたなの「生きた日々」のすばらしさを実感します。あなたが最も望んでいることは何かを知り,理解することが,より良い家族の絆を築き,平穏な心で,大切な家族を「看取る」助けとなるのです。

6.ただ,事前指示書『四つのお願い』の作成には,本人が真意に基づき作成したものであることの証明が必要となります。
  そのために,弁護士の手助けを要します。是非,一度「弁護士法人龍馬」に相談をしてみて下さい。
  自分の終わり方を見つけ,今をいかに生きるかにつき考え,行動するために。