ユーザー (#2)2011年11月 Archives

  既にニュースになっているように,株式会社安愚楽牧場の民事再生手続は廃止され,破産手続に移行する見込みです。

  破産手続に移行しても,既に提出した債権届は,不利益に扱われることはありません。

   弁護団にご依頼されている方は,弁護団で手続を行うのでご安心下さい。

 

  以下,安愚楽牧場に関する報道です。

8月に4330億円の負債を抱えて経営破綻した安愚楽牧場(栃木県那須塩原市)は16日までに全国約40カ所に持つ直営牧場を中堅の飼料商社、湯浅商事(名古屋市、湯浅薫社長)に売却、300カ所以上ある預託牧場の和牛は未払いの預託料と相殺する方式で契約農家に優先譲渡する方針を決めた。

 

 湯浅商事は牧場部門も持つ飼料販売会社で、破綻後の安愚楽牧場にも飼料供給を続けている。同社は各地の取引先などに牧場を再譲渡するものとみられる。

 

 安愚楽牧場は民事再生手続きによる資産処分を計画していたが、東京地裁が今月8日に同手続きの廃止を決定。渡辺顕弁護士を保全管理人に任命し、破産処分への移行を準備している。

 

 同牧場では破綻後も直営牧場や契約農家の牧場で継続管理している約13万頭の和牛の飼料代が大きな重荷になり、和牛の栄養状態の悪化や投資家など債権者への配当財源の流出が懸念されていた。

 

日経新聞 電子版 2011年11月16日より

  

1 民事再生中の株式会社安愚楽牧場に東京地裁から管理命令が出ました。

  

 「和牛オーナー」制度で出資会員を集めていた「安愚楽(あぐら)牧場」(栃木県那須塩原市)の民事再生手続きで、東京地裁は4日、管財人を選任して財産管理にあたらせる「管理命令」を出した。同牧場の経営陣は財産の管理や処分の権利を失う。同日付で管財人に選任された渡辺顕弁護士と、同牧場代理人の柳沢憲弁護士らが明らかにした。今年8月、東京都と熊本県のオーナー2人が「牧場に財産管理を委ねると、被害者に配当すべき財産を損なう恐れがある」として地裁に申し立てた。その後、申立人は5000人超に上った。

毎日新聞 2011年11月5日 東京夕刊より

 これまでは,安愚楽牧場の経営陣が残ったままで再生手続が進められていましたが,管理命令が出たことにより,今後は,管財人がこれまでの経営陣に代わって会社運営を行い,手続が進められることになります。

 被害者弁護団は,当初より,安愚楽牧場の再生手続につき,破綻に至る経緯や資産・経営状況の不透明性などから,経営者主導の再生手続に関して多くの問題性を指摘しており,裁判所に対して管理命令の発令を求めていました。

 そして,今回,5000人を超える数の委任状の提出のかいもあり,管理命令の発令に至りました。

 今後は,公正な立場である管財人の協力を得て,一層の真相解明が進むことが期待されますし,それにより関係者の責任関係も徐々に明らかになっていくのではないでしょうか。

 なお,ぐんま弁護団は,約60名の方から正式受任を受けております。

 

2 安愚楽牧場,09年には実質債務超過 開示文書

 

 4330億円の負債を抱えて8月に民事再生法の適用を申請した安愚楽牧場(栃木県那須塩原市、渡辺顕再生管財人)が2009年2月、投資家への会計処理の仕方や情報開示が不適切だとして、当時、和牛預託取引(オーナー制度)の監督官庁だった農林水産省から改善指導を受け、事後点検のための定期報告も求められていたことが、消費者庁がこのほど開示に応じた行政文書で明らかになった。

 

日経新聞電子版 2011年11月6日より