受講者の感想 その5
1,前期の講座も終盤を迎えますが、未だに自分に出来ることは何か?と迷いがあり、煮え切らない気持ちでおります。しかし、受講させて頂いた知識は、今後の糧になることでしょう。
2,民法の基本原理の解説で、公法は、「支配服従」が指導原理で、私法は、「自由平等」が指導原理との説明を頂きました。日本の法律の中にも国家と国民、そして「支配服従」という関係があるという事はある意味新鮮な響きでした!
自由平等の名の下に権利ばかり主張して,義務と責任を忘れてしまいがちな今の日本の社会も,キチンとこの指導原理があるという事に安心感をも覚えました。これ以上の意見は思想的になるので申しませんが,国家と国民の関係はそうだよなと納得しました。
家族法や財産法等で、具体的事例に基づく設問は回答を読まなければ答えられないものばかりですが、この設問と少しでも条件や設定が違えば答えも変るのだと思うとやはりチームで動き、その都度、事案ごとに細かい報告連絡相談が必要なのだとこの勉強を通じても改めて感じました。
3,『障害者の理解について』
精神障がいを考えるとき、その人の障がいの内容、程度に応じて医学モデルと社会モデルの2つのモデルを使いこなして把握、捉えることが重要であるという指摘は興味深かった。症状や程度が多岐にわたる精神障がいでは、まずその人の状態を正しく捉え、状況を判断し、どのような支援が必要なのかを考えていくことが大変重要な出発点であると思う。「障がいを個性と考え、克服するのではなく障がいを抱えながら生活者として社会の中で生活していくことを目指す」という支援のありかたも大変勉強になった。
精神障がい者本人の基本的な生活態度を理解・尊重し、なるべく本人の残された力を発揮できる環境作りに協力することが市民後見人には求められると思う。
知的障がい者の理解には、「能力がどの程度失われたか」(認知症・精神障がい)ではなく「能力がどこまで獲得されたか」という視点を持つことが大切だと思う。知的障がい者には、獲得されてこなかった能力が多数あるという特徴をしっかり把握したうえで辛抱強く関係性を築いていく努力が市民後見人には必要と考える。
知的障がい者が社会の中で自立して生きていくためには、様々な生活上の支援はもちろんのこと生涯にわたりその人の人生全般のあり方において見守る人の援助が不可欠である。親(家族)に身上監護のほとんどが委ねられている現状では、「親(家族)なき後」の問題は、深刻であると思う。それ故に知的障がい者にとっての成年後見制度の必要性と重要性を感じる。
今まで認知症、精神障がい、知的障がい等を学んできて感じたことがある。市民後見人にとってそれぞれの障がいに対する正しい知識と理解はもちろん基本であるがそれと同様に非常に重要なのが市民後見人のコミュニケーション能力ではないだろうか。言葉だけでなく状況に応じて辛抱強く柔軟に相手の発する様々な信号をキャッチして関係性を築き、信頼関係を得る。自己決定を重んじ被後見人に本当に必要な支援を探っていくためにも市民後見人には高度なコミュニケーション能力が必要とされると思う。
☆福島先生のテキストに紹介されていた「寡黙なる巨人」を読み終えました。
大変感動しました。生きる意味について考えさせられました。
世界的な免疫学者である著者の脳梗塞発症後1年間の闘病の記録です。
医学者と患者、両方の視点から書かれたこの本は、障がいを持った方の気持ち,苦悩を理解する大きな助けとなると思います。
4,7回目の講座、障害者の理解、虐待を受講させていただき、一般的には知られていない問題が見えないところでたくさん発生していることを改めて知りました。
子供のころ、家の仕事の関係で、身体障害の方がいつも数人働いている状況の中にいました。その中のある方が、近視の人だって障害者としては扱われていないけれど同じだと思う、と話していたのが印象的で今でも思い出されます。また、ある方が、障害も個性の一つだと言っていました。こう考えると、皆、さほど変わりないのかもしれません。
数年間お世話になっていた職場には、たくさんの子供たちの中に身体障害や知的障害のお子さんや学習障害児などが数人いたのですが、ほかの子供たちは、それが当たり前のこととして接していました。
小さい時からこんな環境が身近にあれば、障害者や高齢者に対する理解が深まりやすいのだろうと思いました。
事故や病気により誰でも障害を持つ可能性があり、年は誰でもとっていくのですから、人間としての尊厳を大切に、自分に置き換えてみる気持ちで考えていきたいと思います。
毎週続いた講座が今月は1度だけで、なんだか少し変な感じでしたが、また、今週からしっかり勉強させていただきたいと思います。
5,基礎講座は残り4回となりましたが、これまで受講させていただき毎回、自分なりに新たな気づきや学びがありました。日々の生活におきましても物事を違う視点から捉えているように感じております。
今後皆さまと活動もしていけるようこれからもしっかり学んでいきたいと思います。