市民後見人養成事業に対する,中間的報告  小此木清

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これまでの講座で高齢者問題に対する問題意識の喚起を,繰り返し行いました。また,概論として全体像を述べていたことを,清水司法書士やデジタル紙芝居,また星野弁護士の体験的な具体例で,問題意識の具現化をしてきました。

並行して,認知症ということを理解するための高度な講習を行いました。

 

6回を中間地点として,養成講座の受講生の方々が,基礎講座で終わる方,実務講座を修了しても後見人候補となるまでは望まない方も含めて,すべての方が市民後見制度に関わっていただきたい,関わっていただけるということを,お伝えしました。

 

市民後見人養成事業の本来の目的は,もちろん後見を必要とする利用者の方を支えることです。しかしその利用者の方,一人を支えることだけが目的ではありません。

市民後見人養成講座を受講し,そこで培った高い意識と,様々な知識を,受講生の方々に,地域で,職場で,影響力を持って発信していただきたいのです。

市民後見人が,そして市民後見人養成講座を受講した皆さんが,社会に存在することで,市民後見養成事業の認知・普及を担っていただき,また成年後見を必要とする高齢者の発見につながるよう,啓発していただくなど,広く影響力を発揮して下さることを期待しています。

 

また,これまで,行政には優れた制度,施策がたくさんありながら,高齢者が疎外感を感じていたのは,社会の仕組みの縦割りが,大きな要因のひとつです。問題を抱えていても,不都合を感じていても,どこに相談すればいいのか,高齢者にはわかりません。また問題を感じていても,解決する方法があるのかどうかも知らないことも多いでしょう。

そんな人がいたときに,市民後見人や,市民後見人養成講座の受講生の方には,行政に対する窓口を持っていただきたく,これから第9回,第10回では,保険年金課,社会福祉課,長寿社会課,介護保険課,そして社会福祉協議会の担当者の講義を受講していただくことになっています。

 

ここで受講された内容を,ぜひ市民のために活かして下さい。皆さん50人全員が,チーム後見のメンバーです。

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