高齢者虐待防止出前講座
10月14日特別養護老人ホームしんとう苑にて,内山社会福祉士とともに高齢者虐待防止出前講座を行った。介護士の方や地域包括支援センターの方など,20名が参加された。
当職は,法律の専門家として「高齢者虐待の防止,高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」の説明をし,社会福祉士が事例説明をするという役割分担でした。
同苑には,すでに虐待により,養護者と高齢者の分離がなされ,措置により高齢者の方が入所されていた。ただ,本来であれば支援計画のもと,高齢者への対応がなされるはずであるが,現状不明なまま監護がなされている状況であった。そこで,今後の対応につき,質問がされ,措置から契約への移行の中で,ケアマネによる今後の支援計画が作成されるであろうという回答となった。
本来,高齢者虐待に対応する責任部署は市町村である。しかし,現場において,高齢者虐待が知見される状況に至っても,解決の手だては見いだせない。あえていうなら,市町村において,手をこまねいている状況が伺える。
これに対し,高齢者虐待防止法に基づき,相談通報等を受理すべき申し入れを行うという手だてを尽くすために,弁護士による法的助言が必要となり,かつ,具体的事例解決のために,高齢者虐待対応専門職チームによる助言が役立つことになる。その必要性を理解してもらうために,本件,高齢者虐待防止出前講座研修がある。
地方公共団体には,高齢者の権利擁護支援予算が組まれているはずであり,行政においてこれら研修費用を負担すべきである。