有効な争点整理を行うための方策について…その2
*専門的知見を得るにつき、付調停と鑑定との振り分けも一方策と考える。
・振り分けの理由:
ⅰ、構造性能や対候性能の場合
欠陥住宅訴訟は、消費者対業者という異質な対立をもつものの間の紛争である。特に欠陥住宅訴訟のなかでも基礎や骨組みの手抜き、いわゆる構造の手抜きは、結論として取り壊し建て替えるほか新築契約が前提とするような建物には戻らない。だから、食うか食われるか、オール・オア・ナッシングの戦いになる。
異質なものの間の決定的なダメージを与える戦いには譲り合いが前提になっているから調停の妥当性が乏しい。
ⅱ、美匠や仕上げの欠陥の場合
この欠陥判断は非常に主観性が高く、司法判断に親しまない。美匠や仕上げの欠陥は,調停を利用することを勧めたい。また、美匠や仕上げの欠陥については業者は割合消費者の要求に乗るようである。
①、調停手続の活用
・調停に付すべき事件
建具の調整不備、一部内装の汚損や仕上げの問題、設備の欠陥等、比較的補修費用の小さい場合
*建築士調停委員の専門的知識を得て、争点整理を行う。
②、鑑定手続の活用
基礎や構造体に係わる欠陥の場合、雨漏り等の欠陥以前の瑕疵の場合など
ⅰ争点整理手続段階からの鑑定人の関与
ⅱ適切に鑑定事項を確定させるための工夫
*裁判所が鑑定事項を定める(民訴規則§129Ⅳ