NPO法人 あかり: 2012年10月 Archives

これまでの講座で高齢者問題に対する問題意識の喚起を,繰り返し行いました。また,概論として全体像を述べていたことを,清水司法書士やデジタル紙芝居,また星野弁護士の体験的な具体例で,問題意識の具現化をしてきました。

並行して,認知症ということを理解するための高度な講習を行いました。

 

6回を中間地点として,養成講座の受講生の方々が,基礎講座で終わる方,実務講座を修了しても後見人候補となるまでは望まない方も含めて,すべての方が市民後見制度に関わっていただきたい,関わっていただけるということを,お伝えしました。

 

市民後見人養成事業の本来の目的は,もちろん後見を必要とする利用者の方を支えることです。しかしその利用者の方,一人を支えることだけが目的ではありません。

市民後見人養成講座を受講し,そこで培った高い意識と,様々な知識を,受講生の方々に,地域で,職場で,影響力を持って発信していただきたいのです。

市民後見人が,そして市民後見人養成講座を受講した皆さんが,社会に存在することで,市民後見養成事業の認知・普及を担っていただき,また成年後見を必要とする高齢者の発見につながるよう,啓発していただくなど,広く影響力を発揮して下さることを期待しています。

 

また,これまで,行政には優れた制度,施策がたくさんありながら,高齢者が疎外感を感じていたのは,社会の仕組みの縦割りが,大きな要因のひとつです。問題を抱えていても,不都合を感じていても,どこに相談すればいいのか,高齢者にはわかりません。また問題を感じていても,解決する方法があるのかどうかも知らないことも多いでしょう。

そんな人がいたときに,市民後見人や,市民後見人養成講座の受講生の方には,行政に対する窓口を持っていただきたく,これから第9回,第10回では,保険年金課,社会福祉課,長寿社会課,介護保険課,そして社会福祉協議会の担当者の講義を受講していただくことになっています。

 

ここで受講された内容を,ぜひ市民のために活かして下さい。皆さん50人全員が,チーム後見のメンバーです。

受講生の感想 その2

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弁護士おこのぎです。

高崎市市民後見人養成講座を受講されている皆様の感想vor2を掲載しました。

 

1.第5回を迎える際,市民後見人制度は法律や、介護に詳しくない人では難しいのではと気持ちが少しマイナス志向になりかけていました。ですが、今日の星野先生と板橋先生の講義を聴いて俄然やる気が出てきました!市民後見人に求められる能力として「現場」で起きている「問題」に,「気づき」、それを問題として「認識」し、適切に「対処」できるかどうかが1番大切な事なのではと,改めて感じました。そしてその「対処」の中に,「市」や「あかり」のプロフェッショナルに相談、引継ぎ等があるのだとようやく理解できました。企業内における問題発見も全く同じで「問題」を「問題」として感じる事が出来るか?という「気づき」の有無から始まり,「問題」かどうかはそこに「あるべき姿」があるはずで,それとずれが生じていればそれは「問題」です。

 

2.市民後見概論で先生が繰り返しおっしゃる柔軟な対応が大事という姿勢。自分自身は異なる考え方に対しても間口が広いつもりではいますが、やはりそこには自分の基準がありこの仕事の難しさを思います。相手の言動をつい訂正してしまう事はこれまでの自分が身内に対して行ってしまったことであり、無知であることがどれほど相手を傷つけてしまったのかと胸が痛みます。認知症の方の後見人になるということは、相手の方にその都度一から説明しないといけない状況の繰り返しになることが想定され、自分の気持ちとの闘いでもあるだろうと思います。第4回講義では任意後見契約はあくまでも内容を知り尽くした上でないとトラブルの元になるという事を学び、大変勉強になりました。高齢社会が加速していく中、後見人の必要性とそこに潜む危険性も自覚しながら勉強させて頂きたいと思います。

 

3.第4回講義の感想実際の後見業務のいくつかを、すばらしいデジタル紙芝居で見せて頂き、イメージがつかめてきました。と同時に、後見業務の難しさを目の当たりにし、身が引き締まる思いです。「自己決定権の尊重」と「身上保護」の調和が大事であることを理解してきたつもりですが、実際の場面においては、とてつもなく重い判断を下さなければならないことを認識しました。後見業務に一つとして同じケースはなく、先週の小此木先生の「ケーススタディー」講義で「答えは一つではない。」という意味が理解できました。

 

4.第3回に解説いただいた市民後見業務ケーススタディにて、「身上配慮義務を果たすためには、後見人等の柔軟な解釈により職務内として対処できる支援を要します。」と記載されておりましたが、第4回の講義において、その実例が示され、より理解が深まりました。デジタル紙芝居のインパクトは大きかったです。同様に前々回の解説で触れていただいた愚行権についても、後見制度の実情がわかりました。自己決定と本人の保護という二律背反的な要素がある場合でも、傾聴やラポールの確率により解決が見出されるケースもあり、またそのように努めなければならないと認識しました。
 
5.「僕のヒヤアセ後見日誌」を見て後見人の仕事が難しくて厳しいものなのだと改めて感じました。「人権感覚」声なき声を聞き、権利を擁護する。自己決定権の尊重と本人保護の調整があり,現有能力の把握が如何に重要か,難しい仕事だと感じました。しかし、紙芝居の生々しい実例を見ながら,改めて大変な事とは思いましたが同時に、社会の為になる遣り甲斐のある任務だと感じました。以前に,自分の仕事の上で病院に入院されている方から「もうあのアパートに元気な姿で戻る事はないから部屋の不用なモノを片付けて欲しい。」という依頼を請けました。その方は退院許可を貰い立会いのもとスタッフと荷の整理していました。するとその方が急に倒れ,救急車で運ばれたものの心肺停止。何日か後、打ち合わせの時は保証人と仰っていましたが,いま思えば任意の後見人の方だったのかもしれませんが,その方からいざという時のお金は預かっているから作業をして欲しい旨、連絡を頂きました。葬儀にはこれもご縁ですから参列しようと思いましたが,身寄りがなく葬儀はしなかったそうです。九州に娘さんが嫁いでいたそうですが「もう縁を切っているのでお骨だけ送ってくれれば良いですから」ということだそうです。あの方のお骨はお墓に入れたのでしょうか。荷の整理では、失礼ながら家族写真やら様々な品々を見ながら,一瞬ではありますがその方の歩んだ人生を想像してしまいます。そんな時いつも何とも表現できない,何か心の空虚感というか人の人生って何なんだろうと,どうしようもないやるせなさを感じました。でも、今日の紙芝居を見ながら,大変かもしれないけど,人生の最後までお付き合いをする後見人の仕事は,死後事務として遺品整理に携わる身として,生前からお付き合いする事により,何かお役に立てることがあるのでは,と熱い気持ちになりました。と同時に、本当に綺麗事では済まない役目と,責任の重さを今日は痛感しました。Q&Aに「高い倫理観と地域貢献と,自分の価値観だけで判断しない,柔軟な対応のできる人材を育成」とあったのが,今日の講座を聞いて腑に落ちました。更に真剣に勉強してみます。

 

6.第5回講義の感想…①星野先生の講義:具体的な後見事務の流れがよくわかりました。銀行口座の管理方法(口座の一本化)、口座名義人の作成の注意点、財産の把握の方法等とても参考になりました。また、資料4に記載されていた様々な問題事例は、後見事務において、きっと直面するであろう事例が記載されていて、その対処の考え方の指針として参考になりました。選任直後の作業や、財産管理等、一連の事務にわたり、家族や施設との入念な打ち合わせが欠かせないと思いました。
板橋先生の講義:虐待の通報から市町村の対応までの大きな流れが確認できました。被後見人に起きている虐待等、小さな変化に気づいてあげることが何より重要であると再認識しました。また、個人情報の保護については、後見人も被後見人の個人情報を守らなければならいことに気づかされました。盲点でした。講義時間が短くなってしまったのは少し残念です。もう少し先生の講義を聞かせて欲しかったです。

 

7.【認知症を理解することについて】福島先生の「高齢者認知症の理解」の講義は大変心に響く内容でした。母が認知症となって長く、経験的に何となく理解していたつもりでした。認知症がこれほど奥深い病であると知り驚いています。認知症の種類、進行段階、認知症ケア倫理など勉強になることばかりでした。認知症の理解のためには深い人間理解(人間とは自己実現を目指し望む存在である・人間は他者との関係性の中で存在する)や高齢期の人間の心理理解(様々な喪失体験、死への不安・孤独を抱えて生きている)が必要であること。認知症高齢者の心は不安と混乱でいっぱいであり、喪失体験を重ねながら心配し、苦しみ、悲しみ、悩むのは誰よりも本人自身であること。また理解や判断が難しい状態となっても心は生きているなどの先生の言葉は重く心に残りました。テキストに「心身低下の状態であっても高齢者は深い人生経験を持つ存在である。介護を通して人生の先輩から学ぶ機会を得られるのはありがたいこと」とありました。私も母の介護生活の中で時々はっとするような学びの瞬間が何度かありました。ターミナルケアについても先生のお話を伺いたかったと思います。

 

 

受講生の感想 その1

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弁護士おこのぎです。

高崎市市民後見人養成講座を受講されている皆様の感想を掲載しました。

皆様とても熱心です。

1 土曜日の2時間を大切に学び地域社会に貢献できるよう、がんばりたいと思います。次回も楽しみにしております。

2 市民後見概論は、今まで漠然ととらえていた高齢者の尊厳について改めて考えながら受講できました。小此木先生の「被後見人の立場に立ってまず考えることが大切、本人の意思を尊重する。」本当にその通りです。善意の押しつけではなく、相手の立場になって考えることを普段から身につけたいと思います。認知症の理解は、大変勉強になります。今春、実母がアルツハイマー型認知症と診断されました。本人以上に娘である自分がショックを受けてしまいました。今後の母の姿を想像しながら、福島先生のお話を聞いています。前回の自己紹介で、圧倒された面もありますが、自分なりにこれからも頑張りたいと思います。

3「質問」昨日の講義を受けての質問があります。「自分の意思を持てない方々の為」の後見人制度という原理原則はよく判りますが、一方で、出来る限りその人の「意思を確認」しながらそれに基づいた判断をするとの事でした。なんか矛盾を感じてしまいました。意思を持てない方々の意思をどうやって確認するのか?その方法論はどうするのでしょうか?経験を積むとその方々の表情や態度や様々な勘所があるのでしょうか?ちょっと表現がしずらく勘所と使ってしまいましたが質問の意図を汲んでいただけたら幸いです。

4 10/6 3つのケーススタディの学習を終えて後見人=意志判断ができないことばかりではないこと、愚行権=人間の生活において、必要と判断される行為を行う権利。会社の業務なかで「後見人が必要とされる状態になること」は判断能力がなくなるということと捉えていたので、意志判断できても後見人が必要となるということが新鮮な驚きでした。考えてみれば、当然で意識があっても身体が動けない状態の人も存在するわけで、これは大変!と思いました。私が考えている以上に後見人が必要としている人がいるということですね。きちんと勉強しなければと思いました。愚行権も初めて聞きました。これから知らない言葉が沢山でてくるのでしょうね。脳ミソを覚醒化させる良い機会!なので、何とか気合で乗り切りたいと思います。

5 本講座を受講し、まだ始まったばかりですが、後見人制度の重要性と大変な仕事である事を痛感しています。私の業務も、後見人とは違いますが、やはり、認知症等判断能力の不十分な方や、家族に問題があり、本人の望むような生活のできない方の支援をしています。自分の業務を通じても、この市民後見人講座は大変有意義であります。現在も実務の中で、改めて考え直し、支援の方法や方向性の修正をしています。もし、私自身が市民後見人として活動できる様になった時には、自らの判断で全てを行う、と、いうような考えでなく、あらゆる社会資源を有効に活用し、それをどんどん繋げていき、被後見人の方がどちらを向いても安心して暮らせるよう、私自身も社会資源の一部になって活動していきたいと思っています。まだ講座も始まったばかりですので、今後本講座が進むにしたがって、私でもできるかどうか、私自身も問い、また、先生方にもしっかりと見定めて頂き、社会資源の一員になれたらと思っています。講師の先生をはじめ、多くの関係者の方々に支えられ、本講座を無償でご提供頂いていることに深く感謝をしています。今後もご期待に沿えるよう、しっかりと勉強していきたいと思っております。

6 周りをぐるりと見渡しただけで、後見人を必要としていると思われる方の多さに改めて気付かされています。もっと勉強して、しっかり対応できるようになりたいです。

7 このような勉強会に参加するのは久しぶりで、学生気分を味わっています。一週間があっという間に過ぎてしまい、日常生活にもメリハリが出来てきました。1013日の二回目の講習で自己紹介がありましたが、以前一緒に働いていた方がいらしたので『人との繋がり』というか『縁』を感じました。12月までの基礎カリキュラム講座では、受講者の皆さんとの繋がり・御縁を大切にしていければと思います。講座は大変解りやすく、進路速度もちょうど良い速さだと思います。認知症の種類についての対処方法の講義がありましたが、祖父母や叔母の様子と重なる事があり声掛けの仕方とかどのように対応したらよいか対処方法なども解りました。講義を受けるごとに自分の知識を深められたらと思います。

8 実体験としましては、認知症の実母や、高齢の義母を抱え、それを取り囲む人々との問題などで様々な経験をしてきたつもりですが、まだまだ分からないことがたくさんあると思います。今回、講座を受けさせていただくこととなり、更に勉強をさせたいただき皆さんのお役にたてることができたらありがたいと思っております。

9 受講についての感想についてですが、なかなかわからない分野もあり、物凄く大変な講座だと思いました。それと、ケーススタディについては、自分の考えとをと言うことかと思いますが、正直分かっていないことに対し、考えをと言われてもあまり答えようがなく、少し疑問に感じております。なんとか頑張って勉強して行きたいと思っておりますが、ただ漠然とやって下さいと言われても、この先どうなるのと不安になる事もあります。

10 熱心な講義ありがとうございます。NPO法人あかりのHP、拝見しました。特にQ&Aは参考になりました。

11 テキスト等広げながら講義である為、3人で使用するには席が狭いと感じました。ただ2時間であり我慢出来る範囲内かとも思います。聞き取り易いペースで講義して頂けたので良かったです。

12 本講座では、色々と困難な問題があることを教えて頂きました。やはり本人の自己決定権につきましては、大変重く難しい問題だと感じております。特に事前指示がなく、又親族がいない本人の意思をどのようにして確認すればいいのか。医師、その他関係機関との十分な連携が必要だと痛感いたしました。同時に意思表示が出来ない本人に対しても十分に説明し、本人の思いを推測しなければなりません。その人の人生を理解して本人の意思を読み取り、わずかな反応も見逃さず本人の思いを汲み取っていく事能力を備えなければなりません。本人は説明を十分に理解しているかも知れないからです。営業活動で相手のニーズをつかむと云う事があります。ただ闇雲に売り込むだけでは物は売れません。相当強力なブランド力を持った商品、極端に安価でしかも品質が維持できている商品は別ですが。売り込む対象企業の営業方針、経営状況、競争関係、消費者ニーズ等を調査し、対象企業が求めているものを推定します。次に攻略方針を立ててプレゼンテーションを行い売り込んでまいります。提案した内容が相手の企業の求めているものと合致すれば営業はほぼ成功です。本人の意思を読み取り、思いを汲み取る方法の参考になると考えます。「認知症の理解について」で様々な認知症の原因と症状があることがわかりました。今、心理士の勉強をしておりまして、本講座の理解促進に役立っております。

13 Q&A3(チーム後見)を拝見致して思いました。市民後見人候補者として名簿に載せる際、予め2~3人のチームを組んでおき、後見人をチームとして、裁判所に選任してもらう方法も考えられるのでしょうか?様々な得意分野での経験値を生かし、後見業務の方向性も合議でき、また、お互いの監視も可能になる。各後見人の後見業務も分散・軽減されるので、チームの兼任もあり得るのかと思います。ただ、後見人同士の意見の食い違いや、性格の不一致も問題になり得ますが。

14 認知症の原因から分かりやすく説明して下さるので超初心者でも興味深く受講できていると思います。

15 私にとって初めての分野であり、講師の講義も丁寧で分かりやすいので、感謝しております。特に、9月29日の自己紹介では、大変すばらしいキャリアの持ち主が多く、感激しました。私は、他の受講生の皆様のように、福祉分野での経験がないので、全力で取り組んで参りたいと考えております。

16 講座が始まったばかりで、私としても暗中模索的な部分もありますが、これまでの講義の中で小此木先生や福島先生が、超高齢化社会に対する社会的な対応が、不十分だとあせりを感じておられる様子が良くわかります。日本人なので、法律や制度により、いろいろと制限をうける状況はよくわかります。ただ後見人を必要とする方も、後見人となる方も、同じ人間です。是非、暖かい人間性のある方を、この講座で育成していっていただきたいと思います。  

17 毎回、講義を聞くたびに、高齢者の直面する多種多様な問題の多さ、重さを認識させられ、身の引き締まる思いです。後見人の「良かれ」と思って行った安易な行動が、高齢者本人や家族及び高齢者を取り巻く社会全般に大きな影響を与えることを常に考えなければならないと思いました。これからも、貴重な講義を大切に受講し続けたいと思います。

18 社会福祉士の資格の学びをさせていただいておりますが、学べば学ぶほど、逆説的に社会福祉士の資格だけでは足りないと感じており、今回の学びに期待しております。

19 皆さん多種多彩な方ばかりで、これからの講座が より 楽しみになりました。一気に沢山の方々と知り合いになれることに 感謝です。できれば 名札を用意して頂けると嬉しいのですが、お話しをする時には相手の方のお名前を認識しながらの方が親近感を持つことができると思います。

20 未知の講習を4時間受講しましたが,対象者の立場にまつわる諸事項を詳細に講義されている印象を受けています。内容は専門的であるが,補充説明で理解しようとしている状況です。

 

 

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