金井健: 2011年7月 Archives

 『自分は,まだまだ「遺言」を書くような年齢じゃない。』と思っている方も多いと思います。

   しかし,誰しもが老いは迎えるもの。認知症などになる前に,自分の意思はしっかりと残しておきたいものです。

 

 

 私が入所してから半年ほどしか経ちませんが,相続をきっかけとして親族間がもめる事案を多数見てきました。相続争いは決して特別な事案ではありません。

 

① 「親の面倒を見てきたのは自分なのに,親の面倒を自分たちに一切任せきりで,遠くに住んでいた弟は,親が死んだとたんに法定相続分を要求してきた。法定相続分では兄弟間で平等だが,納得がいかない。」

 

② 「兄は,親の介護をしてきたというが,介護はヘルパーなどに任せきりで,最後は施設に入所させただけで実際は何もやっていなかった。それどころか,親が認知症であることをいいことに,親の口座から勝手に多額の預金を引き落とし使っていた。相続財産はもっとあったはずだ。」

 

一つの相続に関する争いを兄弟両サイドから見た双方の言い分です。

親に対する介護の実体はわかりませんが,兄弟にはそれぞれの言い分があるようです。

 

①の「被相続人への介護(療養看護・財産管理)」は,「寄与分」として保護される可能性があります。

また,②の相続人の相続財産の持ち出しについては,「特別受益」ないし「不当利得」として相続財産に持ち戻されることで,法的に保護される余地はあります(「寄与分」や「特別受益」の解説はまた時期をみてブログで解説できればと思っています)。

 でもそれは,言い争って初めて解決に至るものです。

 

 

 被相続人が,相続人の立場に配慮したうえで,意識のしっかりしているうちに自分の意思を遺言(できれば公正証書遺言)によって残す方が,上記のような争族を防止することができるのです。

 

弁護士 金 井  健 

 

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