司法修習生と訴訟戦術
1月31日,群馬弁護士会にて,司法修習生を相手に,民事冒頭修習の講師を行いました。修習生に訴状を起案してもらい,起案の要点を説明するというものです。
司法修習生については,7年前くらいに,「ビギナー」というドラマになりましたが,簡単にいうと法曹資格を取得する前の必要な研修を受けている方々です。他の資格試験一般にも言えることですが,資格試験で求められる知識だけで,そのまま実務で通用するものではありません。そのため,現在,法曹になるには,原則として,司法試験に合格した後,1年間研修を受けなくてはならないのです。昨年,「司法修習生の給費制」の問題が新聞やテレビで取り上げられたのも記憶に新しいものです。
講師の立場からすると,本当に皆さんよく理解されており,今すぐでも弁護士として通用するという印象を持ちました。もちろん,司法試験合格者ですので,法律の知識があるのは,当たり前です。私が,驚いたのは,訴訟戦術について,しっかり検討されていたということです。
例えば,「相手(被告)の認否によっては,争わない可能性もあるので,あえて訴状には,触れませんでした。」とか,「将来的に,原告本人尋問が予想されるので,こちらの管轄の方が,依頼者の負担が少ないと考えました。」など,他にもいろいろな工夫をして,起案されておりました。修習生として,初めて起案に臨み,しかも3時間と限定されていたにもかかわらず,戦術的なことも踏まえて起案されていました。
修習生の方は7名でしたが,皆さん弁護士志望とうれしいことをいってくれてました(検察庁修習になったら,みなさん検察官志望です!と変わってるかもしれませんが・・・笑)。
私も,フレッシュな修習生から,いい刺激を受けました。修習生の皆さんも,本当にお疲れ様でした。
弁護士 舟木 諒
弁護士法人龍馬のホームページへ:http://www.houjinryouma.jp/