上毛ローン被害対策弁護団
上毛ローン上毛與信株式会社は,県内資本で最大の貸金業者である。同社は,一時業務停止をし,廃業の意思を固めていたが,2008年5月13日業務再開を意思表明した。
しかし,同社が現在行っている業務は返済状況の管理にすぎず,過払い金返還には応じていない。しかも,同年4月上毛ローンは,群馬銀行に対し,2008年4月23日,債権譲渡し,同月24日債権譲渡の登記をした。
ところで,他の消費者金融は,一方で金利を利息制限法の範囲内で貸し出しをし,他方で過払い金返還に誠実に対応している。これに対し,上毛ローンは,自ら「与信再開が得られるまでは,キャッシュがないので,(過払い金返還には応じず)返済状況の管理」をするだけだと表明している。さらに,上毛ローンは,群馬銀行の返済口座に対する消費者からの差し押さえに対し,群馬銀行の優先を標榜し,開き直っている。
このような上毛ローンの対応は,未だに,利息制限法を超えた金利による取り立てを行いつつ,過払い金返還に応じない姿勢を鮮明にしたものである。
よって,上毛ローン被害対策弁護団は,上毛ローンや同社からの債権譲り受け会社に対して,利息制限法範囲内での取引とともに,過払い金返還業務を誠実に遂行するよう求める。現在,上毛ローンに債務を負担している消費者であっても,利息制限法の引き直し計算により,減額もしくは,過払いの可能性が出てくるので,当面支払を保留し,弁護団あるいは弁護士への依頼を進める。これに対し,消費者は,信用情報に事故情報が載ってしまうおそれを懸念するが,弁護団は,上毛ローンに対し,個人の返済能力に対する取り扱いにつき,信用情報機関に提供することを停止するよう求める。そもそも,上毛ローンに関しては,消費者金融業者としての法的対応を自ら放棄したものであり,返済能力に関する調査のために,個人情報を利用することは,信義則上禁じられなければならないからである。