離婚調停への心構え

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 夫と妻との間において,話し合いができない場合には,家庭裁判所で夫婦関係調整の調停を行う。

 調停は,調停委員男女2人が当事者から夫婦の問題を各人から聞き取り,解決案を提示する裁判外の紛争解決方法である。本来は,裁判官が立ち会うことになるが,調停日の1日20件から30件担当しており,実際は調停条項を決定するときに,当事者と顔を合わせるだけである。

 それゆえ,調停も担当調停委員の個人的資質に,解決を委ねざるを得ない。当事者は,調停委員に対して,夫婦の問題を的確に説明するためには,

 ①事前に夫婦関係の問題を説明する書面を,家庭裁判所に提出しておく。
 ②その内容は,親権,養育費,財産分与,慰謝料という問題提示から,人間関係や紛争経緯を箇条書きするとよい。

 近頃は,こんな質問も……

(質問)
 私(75歳女性)は,夫名義の居宅に,夫(75歳)と1階と2階で別々に住んでおります。私は,夫の面倒をみたくありません。そのため,離婚調停の申立ました。

(回答)
 面倒をみたくないということと離婚とは別問題でしょう。妻は,夫名義の居宅に,今後も居住し続けたいと願っております。夫は将来,介護を要する状況が生じます。妻の願いと夫の将来を調整する仕組みは,成年後見を利用することでしょう。介護や,特養ホーム等への入所契約につき,夫と後見人候補者との間で,任意後見契約を締結しておくことです。上記手続をしておけば,現状維持で問題はありません。

(おこのぎコメント)
今後,熟年夫婦で生ずる問題でしょう。明日の我が身として,教訓にしておきましょう。

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This page contains a single entry by published on 2006年10月28日 20:38.

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